中国を脅威と見る保護主義的な意見がまたぞろ登場している。たとえば「人民元の切り上げ」「変動相場制への移行」、やがては「雇用流出」「産業空洞化」の懸念が高じて、輸入規制や経済制裁といった極論まで登場するのではないか。これまでクルーグマンは経済の基本原理に照らしながら、このような杞憂や誤解を論理的に粉砕してきた。今回のインタビューでも、大げさな中国批判の多くが、自国の問題から人々の目をそらさせるためのスケープゴートであり、先のような「中国脅威論」は論理のすり替えにすぎないと言う。