キャリア開発へ乗り出すための4つのクリエイティブな方法
以下で紹介する戦略はすべて、筆者たちが顧客を対象に試して、効果を確認してきたものだ。これらの戦略は、リスクに前もって対処し、自分のキャリア開発を自分でコントロールできるようにすることを目的としている。
1. 時間の障害に直面している場合:5分間のマインドマップに取り組む
「このプロジェクトが終わったら、
キャリア開発のために要する時間を減らし、頻繁に内省を行なえれば、この障害は克服しやすくなる。具体的には、「自分のコーチになるための問い」(「自分のコーチになるための問い」の例を参照)に答えることにより、自分に対する理解を深めて、行動を起こす新しい機会を見出せばよい。
・「5分間マインドマップ」と題した通知を自分宛に繰り返し送信するよう設定する。
・「5分間マインドマップ」のエクササイズを実践する際は、デジタル機器の誘惑にさらされない場に身を置く。
・5分間かけて、「自分のコーチになるための問い」の一つについて、自分の考えをマインドマップにまとめる。たとえば「私はどのようなことで名声を得たいのか」という問いであれば、作成するマインドマップには、人間関係づくり、アイデアの創出、ポジティブなインパクトの生成といったことが記されるかもしれない。
・そして最後に、内省のまとめとして、「では、どうするのか」を記す。「私は、どのようなことで名声を得たいか」という問いであれば、「次にキャリアについて上司と話し合う時は、人間関係を築くことが得意だという私の強みを生かして、社内のほかの部署との連携を強化してはどうかと提案する」といった具合だ。
2. 私が最近仕事でぶつかった障害を乗り越えるうえで、どのようなものが役に立ったか。
3. 私は、どのようなことで名声を得たいか。
4. 私は、誰から学習しているか。
5. 私が仕事で最も多くのエネルギーを得ているものは何か。
6. 私は、過去6カ月間、職場と家庭で何に最も誇りを感じたか。
7. 私は、仕事を通じて誰の力になっているか。
8. 私が持っているスキルのなかで、他の役職でも役に立つものはどれか。
9. 私が好奇心を持って学びたいと思えるものは何か。
10. 私は、誰から刺激を受けているか。
2. 人間の障害に直面している場合:側面からのサポートを強化する
はしご型のキャリアにおいては、縦の関係にある上司が最も重要なサポートの提供者だと考えて、横の関係にある同僚同士で学び合うことの価値を軽視しがちだ。同様のキャリアのステージにある社内外の人たちとつながれば、直面している試練について語り合い、新しいアイデアを生み出し、一緒に学習する機会を得られる。
そのようなグループの規模は、5人程度でもよいし、50人程度でもよい。重要なのは、互いが能力を育むために助け合うことを共通の目的に位置づけることだ。具体的には、以下のように進めればよい。
・スラック、マイクロソフト・チームズ、ワッツアップなどのアプリを使って、自分が参加したいと思うようなグループをつくる。たとえば、筆者の一人(エリス)は、ねじれたキャリアの推進派が集まるグループをつくった。
・共通の関心を持っている人物5人にそのグループのことを知らせ、参加を呼びかける。
・そして、参加者全員に対して、過去に読んだり、見たり、聞いたりしたもののなかで、いまの仕事に役立っているものを紹介するよう求める。
・それぞれの参加者が新しいメンバーを1人招待できることにして、グループの規模を広げていく。