7. ウェルネスとメンタルヘルスを優先し、配慮を示す
メンタルヘルスの悩みは、Z世代の従業員に影響を与える重要な要因である。彼らの多くが不安や鬱を経験し、仕事のパフォーマンスに影響を及ぼしている。実際、Z世代がリーダーに最も望むことは、ウェルビーイングとメンタルヘルスへの配慮だ。チームのパフォーマンスを高めるだけでなく、最高のパフォーマンスを発揮できるように彼らのウェルビーイングをサポートすることは、リーダーに共通する責任でもある。組織やリーダーは、Z世代のメンタルヘルスをサポートする文化、慣習、リソースを構築しなければならない。
そこで、まず、チームのメンバーの状況を確認する。あなたが手本となって、自分の感情や心配事、対処法などを共有しよう。共感は、共通のつながりを生み出し、コミュニケーションとより深い会話へとつなげるために大変役に立つ。そして、弱さもさらけ出せるオープンなコミュニケーションを可能にし、精神的な回復の時間を確保できるようなチームの文化をつくる。チームに影響を与えるものに対処することによって、チーム全体の効率が向上し、肉体的な病気の場合と同じように、メンタルヘルスに関するスケジュールと優先順位を管理しやすくなる。
次に、Z世代のメンタルヘルスをサポートする福利厚生や習慣を導入する。たとえば、リンクトインは従業員の燃え尽き症候群に対処するために、休暇を増やしている。ほかにも多くのテクノロジー企業やスタートアップが、メンタルヘルス休暇を提供したり、場合によっては義務付けたりしている。
メンタルヘルス関連の従業員リソースグループ(ERG)を立ち上げて支援することも、有用な機会になる。黒人やヒスパニック系など、多様なバックグラウンドを持つZ世代の従業員をサポートする場合、文化的な要素に対応できるリソースを提供することが重要だ。こうした豊かな会話を実践するために、メンタルヘルス関連の福利厚生や職場のポリシーについて、さらにはメンタルヘルスの問題を効果的に議論するためのコミュニケーションツールに関して、学べる研修の機会を組織に依頼してみよう。
* * *
Z世代を形成してきた世界的なパンデミックとマクロな社会運動は、職場におけるゲームのルールを変えた。この世代は、ほかのどの世代よりも、権威がある立場の人々に対して透明性と十分なフォローを求めている。リーダーとして彼らの成功に投資していることを示し、マネジメントのスタイルに柔軟性を持たせ、包括的なコミュニケーションを取ることによって、彼らのプロフェッショナルとしての成長を支援できる。結局のところ、Z世代にとって「行動は言葉より雄弁」なのだ。
"Helping Gen Z Employees Find Their Place at Work," HBR.org, January 18, 2023.