
前進し続けることができる女性リーダーの共通点
ジャッキーは創薬に携わる科学者として、キャリアをスタートさせた。そして数年後、事業戦略に関わる仕事をしたいと思うようになった。しかし、何度も転職しようと試みたが、思うような結果は得られなかった。
「あなたは化学者にすぎない」と言われてばかりだったと、彼女は振り返る。マーケティングやビジネスの経験を広げるために、社内で職務外の仕事に応募しても同じだった。その時点での専門分野のことしか見てもらえず、行き詰まりを感じるようになってしまった。
ジャッキーが直面していた問題は、多くの女性がキャリアの中で経験する。「勢いを削がれた」と感じてしまうのだ。
筆者らは女性リーダーのエグゼクティブコーチとして、特に有色人種の女性が職場で直面する体系的かつ構造的な問題にもかかわらず、キャリアの勢いを維持できる女性がいるのはなぜかを理解したいと考えた。
そこで、75以上の企業でシニアリーダー(シニアディレクター、バイスプレジデント、シニアバイスプレジデント、最高経営幹部)として活躍する女性37人に、インタビューを行った。話を聞いた女性のうち、25%が黒人、75%が白人であった。
彼女たちには「キャリアの勢いを維持するために重要だった局面」について、話してもらった。それらを分析した結果、行き詰まりを感じた時に克服するカギとなる特性が明らかになった。彼女たちの経歴や関心、性格、キャリアはさまざまだが、重要な局面で勢いを維持するために、次の3つの行動のうち少なくとも2つを取っていたのだ。