いきなり現場に出さない
HSPは、行動を起こす前に考え込んでしまう特徴がある。これは、行動する前に、異なる視点や潜在的な結果を考えられるからだ。
敏感な従業員は、いきなり現場に出すのではなく、対応方法をじっくりと考案する機会を与えられると、以下のようによりよいアイデアやパフォーマンスをもたらすことができる。
・ミーティングの前に、議題や思考材料を提供しておく。
・文章で非同期的に回答することを認める。
・重要な決定が下される時は事前に情報を提供して、調整・適応できるようにする。
また、繊細な従業員が困難に対処できるよう、コーチングを行おう。難しい会話のリハーサルをしたり、彼らが心の準備をするのを手伝ったり、トラブルに対処する方法を話し合ったりすることで、何かあっても自分が主導権を握っているという感覚を持たせることができる。
過剰な刺激から逃れる場を提供する
平均的な人の脳が100の情報を取り込むとすると、繊細な人の脳は1000の情報を取り込む。多くのHSPが、過剰に刺激を受けやすく、そのために集中できなかったり、イライラしたり、落ち着かなかったり、疲労や頭痛を感じるのは無理もない。このような感覚の負荷が大きくなりすぎると、HSPは心を閉ざしたり、自分の中に引きこもったりして、チームやプロジェクトに悪影響を与える可能性がある。
無理なペースで仕事を続けられる人はおらず、
・週に1度、「会議ゼロの日」を設定したり、「じゃまをされない」時間帯を設ける。
・一部の会議については、音声のみによる参加を認める。
・ノイズキャンセリングヘッドホンや、明るさを調整できる照明など、感覚に配慮した機器の使用を認めたり、定期的に「モニターを見ない時間」をつくる。
最後に、HSPの従業員のインサイトを活用しよう。HSPの高い意識は、バーンアウト(燃え尽き症候群)や、エンゲージメントが低下している人に気づくことができる。たとえば、同僚が引きこもり気味であることに気づいたり、ミーティングの雰囲気やエネルギーの変化に気づきやすい。彼らのその気づきを簡単に切り捨てずに、確認して、手遅れになる前に対策を講じよう。
HSPのチームメンバーの貢献を認め、大切にすれば、マネジャーは全チームメンバーに恩恵をもたらすインクルーシブ(包摂的)で支援的な職場文化を構築することができるだろう。
"Sensitivity Can Be a Superpower at Work," HBR.org, April 13, 2023.