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すべての仕事はプロジェクトである
私がプロジェクトマネジメントの重要性を痛感したのは、何回かの転職を経てたどり着いた職場でのことでした。そこではエンジニアやUIデザイナーとともに新機能の開発を行うプロジェクトに参画。それまで書籍の編集しか知らなかった私にとって、異なる職種のメンバーとともに一つのゴールを目指す体験は新鮮そのもので、戸惑い以上に多くの学びがありました。
チームで働けば、一人ではたどり着けない遠くのゴールを目指すことができます。ただしそこには、リソースをやりくりし、予期せぬ事態を切り抜け、定められた期日までにプロジェクトをゴールまで導く妙手が必要になります。それこそがプロジェクトマネジメントの要諦であり、不確実性の高い現代においてはその手法も日々進化しています。今号の特集「プロジェクトマネジメント 想定外を乗り越える」では、刻々と変化する状況下で、リーダーはいかにプロジェクトを目標達成へと導いていけばよいのかを考えます。
特集1本目「プロジェクトリーダーが不確実性を飼いならす方法」では、アジャイル開発で「バーティカルスライス」と呼ばれる手法を応用し、先の見えない状況でも成果を出す方法を提示します。
続く「プロジェクトの失敗を招く『独自性の罠』を回避する」は、自分たちの取り組みは他にはない特別なものだという思い込みに警鐘を鳴らし、リスクの見誤りや判断ミスを回避するためのアプローチを紹介します。
新しい取り組みを始める際に計画や分析は重要ですが、そこにとらわれすぎると肝心の一歩が踏み出せず、なかなかプロジェクトが立ち上がらなくなってしまいます。特集3本目「新たなプロジェクトの始め方」は、シリアルアントレプレナーのやり方を組織で働くマネジャーに応用。まず行動し、そこから得られたエビデンスから学習するうえで意識したい5つのルールを示します。
特集4本目「バーガーキングは賛否を巻き起こすマーケティングをどのように実行してきたのか」は、日本におけるバーガーキングの急成長を牽引してきた野村一裕氏へのインタビューです。バーガーキングの独創的なマーケティングはどのようにして生まれるのか、プロジェクトはどのように運営されているのか。野村氏がプロジェクトオーナーとして重視しているポイントについて聞きました。
特集5本目は、マイクロソフトやグーグルで数々のプロダクトを手がけてきた及川卓也氏による寄稿「持続的に成果を生み出すプロダクト思考」です。不確実の高い環境において成果を挙げ続けるためには、プロジェクトマネジメントの成否もさることながら、その土台を成す概念としての「プロダクトマネジメント」を忘れてはなりません。「顧客にとっての価値」を起点に問いを立てるうえでのポイントをまとめていただきました。
「すべての仕事はプロジェクトで成り立っている」といわれる通り、プロジェクトマネジメントの発想はあらゆる業務で役立ちます。今号の特集を、あなたの組織でもぜひお役立てください。
(編集長 常盤亜由子)