強いチームをつくる
サマリー:『DIAMOND ハーバード・ビジネス・レビュー』(DHBR)2026年8月号の特集は「強いチームをつくる」です。どんな状況にあっても結果を出し続けられるチームは、必ずしも突出したエース人材だけに頼ったり、トップダウンで強制的に動かしたりしているわけではありません。むしろ、メンバー一人ひとりが主体性を持って動き、その学びをチーム全体で活かしながら成長し続けているのです。そこで2026年8月号の特集では、そのような強いチームに共通する行動原理を探ります。

一人では見られない景色を見るために

 人はなぜチームをつくるのでしょうか。グループが単なる人の集まりを指すのに対し、チームとは共通の目的に向かって相互に作用しながら行動する集団を意味します。ですが人間という生き物の視点で見ると、どうもそれだけではない気がします。

 チームとは、自分一人では到達できない可能性に手を伸ばすための装置でもあります。一人では思いつかないアイデアを思いつく。一人では耐えられない困難に打ち勝つ。自分だけの世界に閉じこもっていては、自分の思い込みや限界に気づけません。しかしチームの中にいれば、自分とは違う考えに出会い、時に自分の弱みを突きつけられ、他者に助けられ、他者を助けることができます。その意味で、チームは成果を生み出す場所である前に、他者との関わりを通じて人間を成長させてくれる場所であるともいえるでしょう。

 そのような考えを起点に企画した今号の特集「強いチームをつくる」は、一人のエースに頼るのではなく、メンバー各人が主体的に動き、学び合いながら成長を続け、成果を出せるチームづくりの要諦を探ります。

 特集1本目「スーパーチームのリーダーが実践する7つの習慣」は、他を圧倒する成果を挙げられる組織のリーダーが、どのような方法でチームに絶え間ない成長を促しているかを示します。

 続く2本目「全員が成長できる組織のつくり方」は、成人発達理論の権威として知られるハーバード大学教育学大学院のロバート・キーガン名誉教授へのインタビュー。教授は、強みを伸ばすことに重きを置く人材育成法は一見優しいようでいて、実は「あなたはいま以上に成長することはできない」と言っているに等しいと指摘します。

 3本目「スーパーファシリテーターがチームの総合力を引き上げる」は、各メンバーの強みを結びつけ、チームとして最高のパフォーマンスを引き出す優れたファシリテーターの特徴に焦点を当てます。

 そして4本目「パナソニックの原点に立ち返り、個人の挑戦を組織の成長へとつなげる」では、2024年からパナソニック ホールディングスのCHROを務める木下達夫氏に、組織文化を変革し、社員一人ひとりの自由な挑戦を促すためにどのような働きかけをしているのかを聞きました。

 あなたの組織が学び続け、成長し続けるチームへと進化するために、今号のDHBRがお役に立てれば幸いです。

(編集長 常盤亜由子)