部下との関係といえば、コミュニケーションの問題です。これには3つの課題が考えられます。
第1に、あなたが部下とコミュニケーションを取る時、話の内容や表現の方法はどうですか? 部下への要求を正しく伝え指示していますか? 部下からの質問に適切に対応しきれていますか? その時、相手が理解しやすい表現を心がけていますか?
これらは、上司のコミュニケーション心得の基本です。
次に、コミュニケーションは言葉だけでなく、「態度」も重要。ここで注意すべきは、話している内容と、目の動きや表情、身振り手振りが一致しているかどうかです。よく見かけますよね、部下が面白い話をしているのに、笑っているようで実は目が全然笑っていない人(笑)。
人は、表情や態度をしっかりと観察しているものです。それなのに……
「気に入らない」ということを伝える際、言葉でわかりやすく説明すればいいものを、態度で示すから相手に不快感を与えてしまう。「上司であることをみんなに認めてもらいたい」という思いが強ければ強いほど、態度にそれが出てしまう。その結果、部下たちから「空気の読めない上司」と敬遠されるのです。
3つ目は、場所です。不思議に思われるでしょうが、話の内容によっては「どこで話をするか」が重要になるのです。
営業活動について部下にアドバイスするなら、オフィスではなく、いっしょに外出する際に話すのが効果的です。営業戦略会議でアイデアを出してほしいなら、日常使用している会議室ではなく、オフィスを出てレストランやカフェで、食事をしながらお茶を飲みながら話をするほうが、部下たちも緊張が解けて自由な発想を口にしやすいはずです。
部下とのコミュニケーションに問題があると考えるのであれば、このようにいったん分解して考え、どこに問題があるかを理解することが重要です。その次に、その課題を解決する方法を考えます。
自分の課題を理解するためには、客観的な評価が必要になるので、上司や同僚、普段の自分の言動をよく知る配偶者の忠告に耳を傾けるように心がけましょう。そこからけっこうヒントがもらえるものです。