去る3月12日(月)、本誌(DHBR)の公式ウェブサイト“DHBR.net"のリニューアルを記念し、ダイヤモンド社にて、読者セミナーが開催されました。
セミナーは、「グローバルに活躍できる人材になろう」をテーマに、グローバルビジネスに精通した3人の方々をお招きしてのパネルディスカッション。事前にウェブで公募させていただいた80名の参加者の方をお招きし約1時間半のセミナーでした。会場には幅広い年齢層の皆さんにお集まりいただきました。
セミナーの前半は、3人のパネリストの皆様に、自己紹介と共に、グローバル化が進む日本において必要とされる人材像について、それぞれプレゼンテーションをしていただきました。
1人目は小沼大地氏。「みなさんこんばんは!」という元気な挨拶で、セミナーの口火を切っていただきました。同氏は大学院卒業後、海外青年協力隊に参加し、マッキンゼー・アンド・カンパニーでの勤務を経て、2011年に独立し、NPO法人クロスフィールズを立ち上げられました。同団体では、国内大企業の社員を途上国のNPOに派遣する「留職プログラム」という人材育成事業を展開しておられます。
小沼さんが、海外青年協力隊に参加されたときに持たれた熱い想いを、帰国後、かつて夢を語り合った仲間に話すと、「青臭い」と冷笑されてしまったそうです。仲間の志はどこへ消えてしまったのかと、強い疑問を持たれたそうです。この原体験が原点となって、志や熱い想いを企業でも貫けるようにと、現在の事業を始められました。小沼さん最大の魅力は、なんといってもご自身の持たれた青臭さを貫かれていることです。
同氏はプレゼン中、事業に最初に手を挙げた電機メーカーでの事例を挙げられ、今後、国内外いずれにおいても必要となる人材について語られました。社会の課題を解決することが、同時に企業の未来も切り開いていく。企業の本来のあり方が、今後の途上国でビジネスを展開する上でより強く求められる。そして、それを考えて事業を進めていける人が今後は必要だということでした。
2人目の倉本由香利氏は、大手グローバルコンサルティングファームに勤務の傍ら、昨年6月には『グローバルエリートの時代』を刊行され、新しいグローバル化について言及されています。
MITスローンビジネススクールでMBAも取得されている倉本氏は、新興国の台頭で世界経済の構図が一変することを強調されます。先進7か国と新興国7か国の経済規模は、2030年に逆転し、とりわけ日本は2050年にGDPで世界8位に後退することが予想されています。このような新たな世界経済のなかで、従来のような先進国中心のビジネスから転換し、途上国への進出がビジネスで必須課題となります。
このような経済社会で日本人が活躍していくためには、英語力も勿論だが、多文化、異文化の中で働ける人が必要である。 MIT留学時に生活費をまかなうために大学でチーティング・アシスタントのアルバイトをされた経験から、ただ単に海外に出るのではなく、「海外で何らかの責任を持つ」経験がとても重要だと述べられ、今後必要な「グローバルエリート」であるための5要素のひとつとしてご紹介されました。