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国内のスター人材が海外で挫折してしまう
アメリカを拠点とする某メーカーの期待の星として、中国の消費財担当ゼネラル・マネジャーとして北京に着任したアランはやる気満々で、胸を躍らせていた。上司たちがよく話題にしていた、世界一成長の速い市場で事業拡大の指揮を任されたのだ。
前任者からは、社内の軋轢が同国での成長の妨げとなっており、特にマーケティングと営業部門が、業務部門と流通部門で対応できないような約束をしてしまうと警告されていたが、それは比較的解決しやすい問題のように思われた。自分の仕事は、中国でさまざまな組織の役割をうまく統合させることに尽きると、アランは考えていた。
中国人は物事を集団主義的に考える傾向があり、グループの利益を優先すると、本で読んだことがあった。そこで、アランは直属の部下たちに、会社全体の利益を重んじ、問題には全員で対処するよう指示することにした。