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「グーグルらしい」IPOを目指して
もう6年前になるが、上場までの道のりは、いまも逐一覚えている。それは、いかにも「グーグルらしい」体験で、今日に至るグーグルの本質を如実に示した出来事だった。
IPO(新規株式公開)は会社を変貌させる。メディアの多くは、上場すれば我々がグーグルらしさを失うと信じ込んでいるようだった。ニューズ・レター『サーチ・エンジン・ウォッチ』の編集者で、業界では有名なコメンテーターのダニー・サリバンは、「上場はグーグルにとって最悪の出来事の一つになるだろう」とコメントした。
自社株の持ち分によって、「持つ者」と「持たざる者」とがいきなり仲間割れすると世間は予想した。才能ある人材は株を売却してグーグルを辞めるだろう。そして、ウォール街を喜ばせることに目が向いて、グーグルの誇る客観性と独立性が失われるだろう。また、上場企業らしい体裁を整えれば、切れ味が鈍るだろう。