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大企業を率いる初のアフリカ系女性の誕生
2007年の初め頃、アーシュラ・バーンズと私は、マンハッタンのアッパーイーストサイドにあるフレンチ・レストランで夕食を共にした。そこは静かで値段の張るレストランで、私たちにとっては珍しいことだ。だが、私たちには話す場所が必要だった。
当時、アーシュラはゼロックスのシニア・バイス・プレジデントで、私の後を引き継ぐCEOの最有力候補だった。彼女が社長に就任し、取締役会の一員になることを、私たちは発表しようとしていた。それは、CEOの座が彼女のものだということを知らせるための措置だった。表面的には円滑な引き継ぎに見えただろう。だが、その背後には2人の間で論争があった。私としては、それを議論と呼びたいが。
彼女がCEOになるまでの間、どのように2人の間で役割を分担するかの線引きに私たちは苦慮していた。組織図の陣取りゲームをしながら、だれがだれに報告するのか、だれが何に責任を持つのかを議論した。アーシュラは、当然のことながら、みずからがゼロックスを率いる準備が整うように、できるだけ早く、できるだけ多くの責任を持ちたがった。