高級ホテルと高級車のショールームにコーヒースタンド
高級ホテルのロビーといえば、重厚な扉の前にドアマンが立ちはだかっている、すごくクローズドなイメージがありました。しかし例えば、昨年4月にニューヨークでオープンしたばかりの「The NoMad Hotel」には、フランスの独立系レコードレーベルによるファッションブランド「MAISON KITSUNÉ」のフラッグシップ店が併設されており、ホテル利用者でなくともふらっと立ち寄ることができます。
また、同じ不動産会社が手がけた「Ace Hotel」のロビーには1日1000杯以上販売するコーヒースタンドがあり、宿泊者からの人気もさることながら、地域を代表するホットなスポットとしても評判となっています。

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青山にオープンしたばかりのレクサスのショールーム「INTERSECT BY LEXUS」。1階には“街一番のコーヒーショップ”をコンセプトとするコーヒースタンドがある。
青山にオープンしたばかりのレクサスのショールーム「INTERSECT BY LEXUS」。1階には“街一番のコーヒーショップ”をコンセプトとするコーヒースタンドがある。
海を越えて日本の高級車のショールームにも、同じような現象が見られます。レクサスが今年8月30日に東京・青山にオープンしたブランドの活動発信拠点「INTERSECT BY LEXUS」の1階のコンセプトは “街一番のコーヒーショップ”。ノルウェーの老舗コーヒーバー「FUGLEN」のスタンドが併設され、まさにカフェのように誰でも利用することができるのです。
本稿の冒頭、ネット上でオープン化を推し進めるラグジュアリーブランドの例を挙げましたが、このように本来の目的がなければ近寄りがたいイメージがあった高級ホテルや高級車のショールームにおいても、より開かれた態度が一般的になりつつあります。それはラグジュアリーブランドが本来持っている魅力的な「中身」を、もっと広く知ってほしいという態度の表れと言えるでしょう。
ところで、ニューヨークとはちょうど反対側の西海岸に位置するシリコンバレーでも、同じような変化が起こっています。