ほとんどの企業がブランド・コミュニティを誤解している

 11983年、ハーレーダビッドソンは倒産の危機に瀕していた[注1]。しかし、それから四半世紀を経て、同社は「トップ50」に名を連ねるグローバル・ブランドを築き上げ、その価値は78億ドルに達している。

 ハーレーは、自社ブランドが提案するライフスタイルや行動、価値観の下に集まった熱狂的な消費者グループ、すなわちブランド・コミュニティの構築に腐心した。これが再生の柱であり、その後の成功をもたらした。

 ハーレーの成功に触発され、またそれがウェブ2.0の技術によって実現したと聞いて、いま消費財から産業財まで、各業界のマーケターたちは、ブランド・コミュニティづくりにせわしない。