企業ではいまグローバルな事業の成長を目指すために、グローバル・リーダーの育成、あるいは現地で事業を牽引するローカル・リーダーの育成が急務とされている。しかし、その道はけっして容易ではない。企業のグローバル化とは、変革のプロセスにほかならないからだ。したがって、英語教育のみならず、企業の戦略、組織、さまざまなオペレーション上の仕組みや制度などの変革、そして何よりも新しい企業文化の構築が必要となる。事業のグローバル化を当然のことと考え、それを促進する考えや行動を、より多くの社員の間で定着させなければならない。

グローバルな事業成長には、単に組織構造を変えたり、ビジネスに関してグローバルな共通言語である英語を習得したり、あるいは、多様な国籍の社員を増やしたりするだけでは不十分である。言葉の問題以上に、対立の背景にある文化の違いを理解し、対立を効果的に解決する実践知を備えた、正真正銘のグローバル・リーダーを育てなければならない。