ドラッカーの言葉に合わせるなら、経営者の仕事とは経営環境を見つめる(①)、経営戦略をデザインし(②)、組織が共有すべき経営理念を決め、人材育成も含めて組織を作り維持し(③)、マネコン・サイクルを設計する(④)。そしてさらに組織を代表する(⑤)のが、トップの仕事ということになる(下図参照)。
「プロ経営者」は経営する
なぜ経営トップの仕事をわざわざ説明したかというと、それは最近「プロ経営者」と呼ばれる人たちが「キチンと経営をしている」からである。もちろん経営に時の運も付きまとう。キチンと経営しても、成功が必ず保証されているわけではない。成功していたはずの企業が先々つぶれることもあり、成功それ自体の定義も実は難しい。
しかしプロ経営者を見ていると、彼らは経営を行い、するべき仕事を担っていると思う。またそのために経営の素養と能力を高めるべく、勉強してきた人たちである。少なくとも日本のビジネスパーソンがベンチマークすべき、成功確率の高い人達だと考える。
プロ経営者はなぜ「プロ」と呼ばれるのか。それをどのように育んできたのか。その中身を次回から、孫正義、藤森義明、新浪剛史の三氏の事例でみていこう。