コンテンツの効果をどのように測るか?
以上、生活者のインサイトを捉え、その環境に応じてコンテンツを作り分け、より関連性の深い情報を届ける3Hのフレームワークを紹介してきたが、実際にそのコンテンツが見られているか、どのようにアクションにつながっているかの効果測定を忘れてはいけない。
「YouTubeアナリティクス」(注2)では 、視聴維持率やチャンネル登録者数といった分析が可能である。また、「ブランド効果測定」(注3)というツールでは、動画広告を実施した後の広告接触・非接触者による「広告想起率」「ブランド認知度」「検索上昇率」の違いを測定することが可能となる。例えば、どのデモグラフィックのターゲットが最もブランドの認知獲得につながったのか、または、広告に込めたメッセージのうち、どのキーワードが最も検索されたのかといった、具体的な生活者のアクションを測定することができる。これらのポイントを定期的に測定することによって、コンテンツが実際に効果を発揮したかどうかを定量的に捉えることが可能なのだ。
なお、Helpコンテンツは、視聴回数をKPIとすべきではない。具体化したニーズを解決している1回の視聴に価値があるため、動画自体にその後のアクションを促すメッセージや、インタラクションを生み出すオプション機能のカードを加えたり、その動画を視聴したユーザー情報をリマーケティングリストとして蓄積するなどのアクションを評価基準とすることが望ましい。
多種多様なコンテンツが氾濫し取捨選択されている今日、生活者と継続的に関係を構築するためには、ブランドの現状をしっかり把握し、生活者とどのような関係を築いていくのか見極め、ブランドのロードマップを描きながら、生活者と対話するようにブランドコンテンツを制作する必要がある。ユニリーバやネスレ日本KDDIなどは、このような継続的な取り組みから得られた知見とノウハウを駆使して、オンラインコンテンツを活用したビジネスの拡大に取り組んでいる。是非、ブランド作りにおいても、まずはブランドとしてどのようなコンテンツを活用して生活者とのより長く深い関係作りを考えてみてはいかがだろうか。
(つづく)
*次回は6月26日(金)公開予定。
【注】
(1)Googleトレンド:自分でキーワードを選んで検索動向を調べることができるツール。今回は、シャンプー、コンディショナー、リンスの日本における2013年1月から2015年5月にかけての検索動向を比較したデータを参照
(2)YouTubeアナリティクス:チャンネルや動画のパフォーマンスを最新の統計情報とレポートを使って確認することができるツールで、各種レポート(再生回数、トラフィック ソース、ユーザー層など)の豊富なデータを利用することが可能
(3)ブランド効果測定(参考:Think with Google(英語)):YouTube TrueViewインストリーム広告やGoogleディスプレイネットワークでのディスプレイ広告の出稿期間中に広告効果を測定できるツール。2015年6月現在、日本では「ブランドリフト調査」(アンケートによる広告想起率、ブランド認知度調査)と、「サーチリフト測定」(オーガニック検索上昇率)の2種類を提供