また、エドガー・シャインの研究からのメッセージ(注3)を基にした図表2を参考にし、組織としての学習を促進する文化と、阻害する文化を対比してみてほしい。学習し続ける組織には、不確実な時代に、周囲を幸福にしながらも、経営上の「数値」が自ずとついてくる仕組みとプロセスが、埋め込まれていることを読み取ることができるだろう。
組織学習を促進する環境に置かれた人間は、自分の時間を(組織内では一定程度)自分でコントロールしながら、新しいものを作り出すために学び続ける自立した存在であり、自分の力で道を切り開いていこうという意思を持ちやすい。しかしながら、達成するためには、多様な視点・専門性を総合するためのチーム、つまりコミュニティーが不可欠である。 そのため、「自分はすべてを知っている訳では無い」という前提を共有し、他者との関係を価値あるものとみなし活かせるようにすることも重要だ。