学習する起業家的な組織へ
(多少なりとも)硬直化し機械のようになった組織が、学習する起業家的な組織へと舵を切る。その中で「考え決断する」クリエイティブな個人が活躍し、不確実性を増すグローバルな環境で貢献するというビジョンを持って欲しいと考え、今回の連載を進めてきた。実際にビジョンを達成していくためには、連載の内容に加えて、例えば、共有できるビジョンの作り方、イノベーションのためのリーダーシップ開発とチームワーク、異なった環境での異なった組織構造、など多岐にわたる要素を適切に「いじり」ながら変革を進めていく必要がある。何かを「いじれば」、それに応じて、他の要素すべてを多かれ少なかれ変更していかなくてはならない、ということを忘れてはいけない。
幸いにも、起業家的組織への変革に向けての具体的示唆に富んだ研究も着実に増えてきている。科学的データに基づいた判断と、皆さんの経験に裏打ちされた直感を、クリエイティブに切り結び、すべてのステークホールダーが自己の幸福を達成する。同時に、チャレンジを振り返ることにより個人の視野が広がり、お互いを認め合うことができる高い文明へと貢献する、というビジョンを共有していきたい。
(注1)東出浩教、2014、第7章 ベンチャー精神を育む『場』をつくる、仕事に役立つ経営学、日本経済新聞出版社
(注2)Mintzberg, H., Ahlstrand, B., and Lampel, J., 1998, Strategy Safari, The Free Press, New York.
(注3)Schein, E.H., 1995, Organizational and managerial culture as a facilitator or inhibitor of organizational transformation, MIT Sloan School of Management, Working Paper 3831
(注4)Schein, E.H., 1995, op. cit.