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セグメンテーションの目的は
独自の視点を見つけ独自の優位を築くこと
今日、大企業のマーケターは、アメリカ産業史上、最も困難な問題に直面しているといえる。とはいえ、過去10年間の情報革命のおかげで、さまざまな分野のテクニック、事実情報、そして定量データが得られ、これらを問題解決に利用できるようになった。
ただし、このような情報も正しく理解する方法を知っていなければ、マーケティング調査、経済予測、コスト分析、売上構成など、絶え間なく流れ込むリポートのなかに埋もれていくだけである。
このように、山ほどあるデータをただ収集しているだけでは十分ではない。細部に切り口を見つける独自の分析手法を編み出し、新しいビジネスチャンスに鋭く注目することが欠かせない。
本稿では、この新しい切り口を提示したい。そして、これを「セグメンテーション分析」と呼ぶことにする。市場セグメンテーションの最も効果的な切り口を発見できれば、おのずと効果的なマーケティング戦略の端緒になると考えられるからだ。
このセグメンテーション分析は、以下のような前提から生まれた。
・今日の経済において、いずれのブランドも、ある単一セグメントでは効果的に販売されているようだが、市場全体をカバーしているわけではない。
・マーケティング上の目的を達成できるかどうかは、自社の各ブランドの最大セグメントが競合他社の各ブランドのそれと比べて、顧客の要求や感度の面でどのように異なるのかを理解できるかどうかにかかっている。
・デモグラフィックス(年齢や所得、職業や職制など、人口統計上の特性)を用いた市場セグメンテーションという伝統的手法では、こうした理解は得られない。年齢、性別、地域や所得水準で市場を分類しても、必要とされるマーケティング戦略の方向性は見えてこない。