マーケティング・ミックスの4要素

 マーケティング・ミックスは、ビジネス・リーダーにとってきわめて有益な概念の一つである。第1次世界大戦後、多くのビジネススクールがこの概念をマーケティング講座の中心に据えてきた。

 現在では、各社が軒並み、マーケティング・プランの中心として取り入れているほか、マーケティングの教科書やセミナー、幹部向け研修プログラムなども、たいていはこれを主要テーマにしている。

 この概念が長らく重宝されてきたのは、有益であると同時に単純明快でもあるからだ。近年では、その単純明快さを失うことなく、この概念の有効性をいっそう高める方法がいくつも見出されている。

 本稿の意図は、マーケティング・ミックス全体を視野に入れ、マーケティング・プログラムの有効性を決定づける要因を示すことで、そのプログラムの成否を予測する力を磨こうというものである。

 つづいて、マーケティング・ミックスにまつわる重要テーマのいくつかにあらためて注目し、この概念をいっそう有効活用するための方法を提案する。手始めに、マーケティング・ミックスとはそもそも何かについて確認しておくべきだろう。

 マーケティング・ミックスとは、マーケターが業務を遂行するためのツールであり、以下の4つの要素で構成される。

(1)製品あるいは製品政策

(2)プライシング