一方、日本企業では働きたくないという人たちの共通認識は以下の項目であった。

・ 給与や昇進が年齢や勤続年数で決まる。

・ 規則が多すぎる。

・ キャリアパスが見えない。

・ ローカルスタッフを尊重しない。

・ マネジメントポジションが日本人で占められる。

・ 現場での改善活動を行っても、それが当然とされ、評価してくれない。

・ 職場でのプレッシャーが大きい。

・ 時間管理が厳しい。

・ 少しのミスも許されない。

・ 残業、長時間労働が評価され、効率的な働き方が評価されない。

・ 仕事が多い割に給与が低い。

・ 日本人はいつも日本式のやり方を押し付ける。

 日本企業の多くが、海外現地法人の現地社員を未だにナショナルスタッフと呼び、ローテーションスタッフと呼ばれる日本人社員とはキャリアパス上、明確な区別を行っている。このような状況下ではナショナルスタッフには現地法人内のキャリアの機会しかない。それだけではなく、現地法人の上位のマネジメント職には日本人赴任者が就いているので、零細企業と同じ程度の昇進の機会しかないのである。現地スタッフはこれを「グラスシーリング(ガラスの天井)」(キャリアの限界の意)をもじって「バンブーシーリング(竹の天井)」と呼んでいる。