持続可能性に関する活動を実施する企業は、どんどん増えている。あらゆる企業がそれに取り組んでいるために、単なる必須事項にすぎないのか。それとも、競争優位を実現する十分条件になるのだろうか。筆者らの調査により、持続可能性への取り組みが差別化戦略になりうる事実が示される。


 近年、世界中でますます多くの企業が、持続可能性(サステナビリティ)に関する広範な活動を自主的に取り入れて実施している。そして取り組みの急速な普及によって、持続可能性の性質と、それが組織に与える長期的な影響についての議論も巻き起こっている。

 持続可能性の取り組みは、業績向上につながる差別化戦略の1つになるのだろうか。それとも、企業が生き残るための戦略的必須事項ではあるが、必ずしも優れた業績を保証するものではないのだろうか。