
中村朝香
アクセンチュア 戦略コンサルティング本部
マネジャー
慶應義塾大学卒業後、2013年アクセンチュア入社。国内金融機関を中心に、戦略コンサルティングに従事。中期経営計画策定、新規事業戦略、M&A戦略、WEBマーケティング戦略等の各種事業戦略の策定を推進。近年では、異業種クライアント様(小売・流通・キャリア・EC・エネルギー等)を中心に、“金融×α”の業界横断ビジネスの戦略立案を担当。
アクセンチュア 戦略コンサルティング本部
マネジャー
慶應義塾大学卒業後、2013年アクセンチュア入社。国内金融機関を中心に、戦略コンサルティングに従事。中期経営計画策定、新規事業戦略、M&A戦略、WEBマーケティング戦略等の各種事業戦略の策定を推進。近年では、異業種クライアント様(小売・流通・キャリア・EC・エネルギー等)を中心に、“金融×α”の業界横断ビジネスの戦略立案を担当。
中村 金融以外の分野でも応用が進んでいます。例えばヘルスケアにおいても、ブロックチェーン技術によって現在の紙ベースの手続きを減らし、セキュアで高度な情報共有が可能なシステムを構築できます。患者は政府発行のデジタル保険証を用いることで、保険情報とともに病院に予約を入れる、検査結果(カルテ含む)を病院間でやり取りするといったことが可能になります。さらに、処方箋の作成から医薬品の交付まで、様々な作業に関して、医師、薬剤師、患者間でセキュアに情報共有できます。こうしたシステムは重要な社会インフラになるでしょう。
また、サプライチェーンにおいても、すべての取引、製造工程をブロックチェーンに記録できるようになるほか、ブロックチェーンは新たなサプライチェーン構造を生み出し、ビジネスに大きな変化をもたらすと考えられます。(図3)

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出典:アクセンチュア
出典:アクセンチュア
田中 既存の金融インフラと同等の機能がはるかに安価に実現されるため、必要十分な信頼性の担保と一定の取引規模という条件が揃えば、不可逆な代替が進むと考えています。これに乗り遅れると従来の収益プールを一気に失いかねませんし、ニッチアセットの例のような新たなマーケットでは、自律分散型市場という特性上、これまでのように「仲介者」として稼ぐ余地は存在せず、事業機会から疎外されることになるわけで、ブロックチェーンに取り組むことを避けては通れないと考えています。