リーチを拡大するにはオーガニック投稿だけでなく
Instagram広告の活用が効果的
3つ目のセッションでは、Instagramをいかにブランディング戦略に用いるかについて、フェイスブック ジャパン クライアントソリューションズマネージャーの竹林明日美氏が講演した。
竹林氏はブランディング目的でInstagramを使う際のポイントとして、(1)ブランドのアイデンティティを定義すること、そのうえで、(2)Instagramの役割を定義すること、の2つを挙げた。
そして、Instagramアカウントのプロフィールはブランドの顔となるものなので、ブランドのアイデンティティが伝わり、アカウントが提供する価値がわかりやすく表現されるように、しっかりと作り込む必要があるとアドバイス。「アカウントのプロフィールを見ている人の3分の2は非フォロワーであり、プロフィールがしっかり作り込まれていれば、フォロワーの増加に直結する」と指摘した。
ファンとの距離を縮めるためには、ストーリーズとフィードの双方を活用するのが有効である。ユーザーの関心が高い投稿ほどフィードでは上、ストーリーズでは左に表示される。単なる時系列ではなく、エンゲージメントの深さの順で表示されているのだ。これは、独自のアルゴリズムによって実現されている。

具体的にはシグナルという指標で、表示順を決めている。シグナルはユーザーの興味関心度の高さ(interest)とアカウントとのつながりの深さ(relationship)で決まる。「いいね!」の数やコメントなどのやりとりにどのくらいの時間を使っているかが、評価のポイントとなる。
シグナルを増やすためには、投稿に統一感をもたせること、そして、定期的に投稿することが重要だ。ひとつのアカウントで複数のブランドの情報を発信するのは、統一感を損なうため、やめたほうがいい。ブランドごとにアカウントをつくり、定期的に投稿することが、安定してシグナルを貯めることにつながる。
ストーリーズでは、よりインタラクティブでタイムリーなコンテンツを発信することで、ブランドへのエンゲージメントを強化することができる。例えば、期間限定セールや新商品の発売日、季節イベントに合わせるなど、その日だからこそ価値がある情報を発信することが有効だ。
古代中国の戦国時代を舞台にした大ヒット漫画『キングダム』のInstagramアカウントでは、ひとつの投稿で複数の画像や動画を表示できるカルーセル形式の広告で1日1エピソードを配信。続きを読みたい読者が多数、特設サイトを訪れるようになった。また、スターバックスではハロウィンの日にAR(拡張現実)フィルターを使って仮装できるブランド体験を提供することで、ユーザー投稿を促進した。
Instagramをビジネスで活用するには、ビジネスアカウントを通じたオーガニック投稿と、Instagram広告の両方があるが、フォロワーとなっているファン以外にもリーチを拡大するためには、広告を併用することで効果が大きく高まる。

こうした広告ソリューションのひとつとして、インフルエンサーが投稿したコンテンツを広告主がプロモーションに活用できるブランドコンテンツ広告が新たに加わった。ブランドコンテンツ広告は、フィード、ストーリーズ、発見タブのいずれにも表示できる。インフルエンサーのフォロワーに効果的にリーチできる広告として、今後、活用が広がりそうだ。