Facebookピクセルの活用で
広告パフォーマンスを最大化する
最後のセッションでは、ダイレクトレスポンス目的でのInstagram活用について、フェイスブック ジャパン 中小企業事業担当チームリードの大谷直史氏が解説した。
大谷氏は、「83%のユーザーがInstagramの投稿がきっかけで行動を起こしたことがある」「44%がブランドサイト、ECサイトなどで後日、商品を確認したり、購入したりしている」というデータを示し、Instagramがダイレクトなレスポンス(反応)を促すメディアであることを強調した。

そして、学生を対象とした楽天グループのメンバーシップサービス「楽天学割」では、ストーリーズ広告を活用することで新規会員の獲得数が338%増加、クリック単価は逆に56%低下するという大きな成果を上げた事例などを紹介した。
Instagram広告を商品購入などのダイレクトレスポンスにつなげるためには、「Facebookピクセル」によって、ユーザーの行動を把握することが大きなカギになる。
Facebookピクセルとはプログラミング言語で記述されたコードで、これを利用することにより、例えば「認知」から「興味・関心」「比較・検討」「購入・申し込み」へと至るパーチェスファネルの上位から下位まで全ての行動を把握することができる。そして、機械学習によってその分析・予測精度を高めている。
つまり、Facebookピクセルを活用することにより、以下のことが可能となり、広告パフォーマンスを最大化できる。
1.ページの閲覧やサービスの申し込みといったアクションを計測して、次にどのようなアクションを取るかを予測する[計測機能]
2.ある製品やサービスに関心を示した特定の人たち(=カスタムオーディエンス)にだけリーチする。また、カスタムオーディエンスと類似した行動を取っている人たち(=類似オーディエンス)にリーチする[オーディエンス機能]
3.より期待値の高いオーディエンスに狙いを定めて広告を配信する[最適化機能]
また、Facebookピクセルを活用することで、「ダイナミック広告」の最適化を図ることも可能だ。ダイナミック広告とは、一人ひとりのユーザーの行動履歴などに応じて、広告を自動的に作成して配信するもので、ECサイトなどでよく利用されている。
Facebookピクセルをダイナミック広告に活用すれば、購入に至らなかったユーザーに購入期待値が高い別の商品を推奨するといったことが可能になる。ダイナミック広告は今年からストーリーズでも配信できるようになっており、ショッピング機能などを組み合わせれば、認知から購入までを強力に支援する広告ツールとなるだろう。
日本にいながら世界中の商品を購入できるファッション通販サイト「BUYMA(バイマ)」を運営するエニグモでは、会員登録、アプリのインストール、ROAS(広告投資リターン)最適化などで、ダイナミック広告を含むInstagramの広告プログラムをフル活用している。同社ソーシャルコマース事業本部長の山中秀登氏によると、Instagram広告による会員獲得率は3割程度、アプリインストール獲得率は8割近くに及ぶという。
エンドユーザーの接するメディアが多様化するなか、認知から獲得まで一気通貫でシナリオを組み立てられることがInstagramの強みである。そして、ダイレクトレスポンス目的で活用する際には、「細かい施策について専門知識のある代理店のサポートを得ることで、広告の成果が最大化できる」と、大谷氏は付け加えた。
トータルで3時間におよぶセッションであったが、Instagramがユーザーに直接行動を促すプラットフォームであることがあらためて実感され、会場には熱心にメモをとる聴衆の姿があふれていた。
https://business.instagram.com/a/instagram-day-tokyo-2019