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今日も多くのビジネスパーソンが、不毛な会議に悩まされていることだろう。会議が不調に終わる理由はいくつも指摘されているが、それはリーダーや参加者の悪意や怠慢によるものではなく、ある思い込みが原因だと筆者は指摘する。すなわち、個人の問題解決では効果を発揮する直感的な思考プロセスを、集団による問題解決でも採用していることが、そもそもの間違いなのだ。本稿では、体系的な会議を実践するための5つの問いを示す。


 非生産的な会議が非常に多いのは、なぜだろうか。

 秩序を欠いたまま長引き、精神を消耗させる会議が、カレンダーにぎっしり詰まっている――。こんな状況にうんざりしている職業人の多くは、その原因を手厳しく冷ややかに説明する。

・リーダーの怠慢のため、議題を適切に設定していない。
・マネジャーは、権力をふりかざすために無意味な会議を開く。
・自分自身の仕事で頭がいっぱいの身勝手な参加者が、まったく準備をせず会議に来る。

 しかし、冒頭の問いに対し、単なるガス抜きではなく正確な答えを望むのであれば、「ハンロンの剃刀」を考慮するのが賢明だ。すなわち、「誤解」という理由で十分に説明できることを、「悪意」のせいだと考えてはならない。

 筆者は10年以上にわたり、数々の著名企業で会議の機能不全の解消を支援してきた結果、わかったことがある。多くの会議がダメな理由は、ある単純な、間違った思い込みの存在によって適切に説明できるということだ。

 個人で問題解決をする際にきわめて効果的なアプローチは、「直感的な問題解決」である。そして人々は、会議という場にいる集団においても、このやり方が同じように効果的だと思い込んでいる。ところが、そうでない場合が多いのだ。