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チームの成果が思うように上がらないとき、メンバーに責任を押しつけていないだろうか。現実には、部下たちが故意に責任を放棄するケースはめったにない。たいていの場合、リーダーシップに問題がある。にもかかわらず、結果だけを問うやり方は、メンバーを鼓舞するどころか、気持ちをくじくことになりかねない。本稿では、チームが抱える問題を正しく認識し、よりよい結果を導くリーダーに変わる5つのステップを紹介する。


「みんながもっと責任を持つべきだ」

 この1年、あなたは何回そう言っただろうか。売上げが落ちている、目標に到達していない、供給ルートが滞っているなど、何かうまくいかないと、この呪文を唱えたくなる。

 ただし、あなたのその言葉は、チームのメンバーにはこんなふうに聞こえている──「私は失望させられた」「業績が悪化している」。人々のやる気をかき立てるどころ、気持ちをくじくことになりかねないのだ。

 彼らがいま以上に集中できるはずだというケースも間違いなくあるだろうが、私の経験では、「責任の欠如」が意図して起きることは、めったにない。たいていの場合、役割や責任が明確でない、資源が限られている、戦略がお粗末だ、目標が非現実的であるなど、基本的な問題の結果として生じている。だからこそ、すぐに責任を追及するリーダーは、結果的に行き詰まり、余計に失望することになる。

 さらに、チームの「責任の欠如」を言葉に出して指摘すると、言われた側は、脅されている、見下されていると受け止めがちだ。そうした反応は、変化を促そうというときに生産的とは言えない。それ以上に、問題の本質を探る手助けにならない。

 周囲を鼓舞して、よりよい結果を出さなければならないときに(あなたも、そのためにこの記事を読んでいるはずだ)、より望ましいアプローチは、リーダーシップを意識して問題と向き合うことだ。チームで対話を始め、目の前にある本当の問題を確認し、その解決につながる計画を実行するために、次の5つのステップを考えてみよう。