人との結びつき
人は一般的に、不確実な状況に置かれたとき、慰めと支援を得るために仲間とつながろうとする。しかし、いまはこの方法が使えない。新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐために、コミュニティから自分を切り離し、自宅の中にとどまり、ソーシャル・ディスタンス(社会的距離)を実践するよう求められているからだ。
とはいえ、社会的な孤立を放置すれば、孤独が生まれて、心身の健康に対して途方もない悪影響が及ぶ危険がある。
人との接触を避けることが、常に孤独を生むとは限らない。この機会に、他者と真につながることを目指そう。
ほかの人たちに対して、その人があなたにとっていかに大切な存在かを伝えよう。同僚に賞賛のメッセージを送ったり、家族にどれほど深く愛しているかを話したりしよう。あなたの人生をよりよいものにしてくれたことへの感謝の気持ちを伝えるために、電話をかけたい人のリストをつくるのもよいだろう。
大事なのは、自分の心配事ばかり話さないこと。ほかの人たちのやっていることに興味を持ち、他人の言葉に耳を傾けるべきだ。今日から、さっそく実行しよう。
いまは、思いやりの精神を実践すべきときだ。新型コロナウイルスの感染拡大に伴う社会的・物理的・経済的混乱により、影響を受けていない人はほとんどいない。誰もが同じ立場なのだと認識しよう。この問題では、無関係の他人は一人もいない。
雰囲気を盛り上げたり、インスタグラム上のダンスパーティに参加したり、歌を歌ったり、一緒に音楽を演奏したりしてみよう。たとえば、イタリアの人々は、都市封鎖の中の暮らしに、喜びと絆を見事に生み出した。人々はソーシャルメディアを通じた呼び掛けに呼応して、決まった時間に一斉にバルコニーへ出て、あるいは窓を大きく開け、あるいは屋根に上って、「イタリア万歳!」などと歌ったのだ。
このような状況下で、ほかの人からどう思われているかを過度に気にすべきではない。誰もが同じ立場に置かれているのだから。
いまほど、肩の力を抜いてリラックスすることが大切なときはない。この難局を乗り切るには、ほかの人たちとつながり、率直に自分の弱さを受け入れることが有効だ。