目的の発見
悪いニュースが続く中で、代わり映えのしない日々を送っていると、自分の人生や仕事に情熱が不足していると感じるかもしれない。
そこで、いまこそ、利己を超えた大きな目的のために生きてみてはどうだろう。自分自身についてみずからが語るストーリーを、自分で決めるのだ。自分のことだけにとどまらない大きな目的を抱いている人は、試練に直面したときに強い回復力を発揮できる。
オーストリアの精神科医・精神分析学者である故ヴィクトール・フランクルは、ナチスの強制収容所から生還した人物だ。その過酷な経験を通じて、人間に関する理解が大きく深まった。
フランクルによれば、人間が抱く衝動やモチベーションの最大の源は、快楽や権力ではなく、人生に意味を見出すことだという。フランクルはこう書いている。
「環境によって、人生が耐え難いものになることはけっしてない。人生を耐え難くするのは、人生に意味と目的を見出せないことだ」。強制収容所では「将来やり遂げたいことに目を向けている人ほど、生き延びる確率が高かった」という。
この危機の中で、利己を超えた行動を取っている人たちに目を向ければ、あなたも刺激を得られるかもしれない。
地域で恵まれない人々を支援している人もいれば、子どもたちに学ばせようとしている人たちもいる。こうした行動は、目的を持って生き、人々の先頭に立つ振る舞いと言える。あなたも同じことができるはずだ。
忘れないでほしい。厳しい状況に直面したとき、あなたにとって最も重要な味方は、あなたの内面にある。その味方とは、あなたの精神だ。だから、自分の精神を大切にしよう。それがあなた自身の健康のために、そしてほかの人たちの健康のためになるのだ。
HBR.org原文:How to Manage Your Stress When the Sky Is Falling, April 10, 2020.
■こちらの記事もおすすめします
その不快な感情の正体は「悲しみ」である
不確実で先が読めなくても、無力感にさいなまれる必要はない
新型コロナウイルスの不安をスティグマに変えてはいけない