イベント中

 ●参加者に安心感を与える

 対面のカクテルパーティと同じように、参加者が入室したら挨拶し、これからの予定を伝えよう。参加者がアクセスしたらスムーズに入れるように、ホストのあなたは2分ほど前にはセッションを「開始」する。

 入室許可を開始してから5分ほど経ったら、まず自己紹介から始めよう。早めに退室する必要がある人がいるかどうか最初に確認して、その人から先に自己紹介できるようにすれば、会の途中で彼らがサインオフしても、気まずい雰囲気にはならない。

 自己紹介は一人2分で、仕事と、趣味や熱中していることなど、個人的な情報を交えて話してもらう。最初にあなたが手本を示すと、参加者はどのぐらいの長さでどのようなトーンで話せばよいのかを把握できる。

 次に、誰かが自発的に話し出すのを待たずに、ホストのあなたが一人を指名して自己紹介してもらう。これで軌道に乗るし、どういう展開になるか戸惑っていたかもしれない参加者も、すぐに安心できる。

 ●最初の自己紹介の後、一人ひとりに具体的な質問に答えてもらう

 ホストとしてのあなたの役割は、おしゃべりなゲストが会話を独占したり、話が脱線して政治や最近の時事ネタへと迷走したりしないように仕切ることだ。よい質問の例を、いくつか挙げよう。

・いま、どのように時間を面白く、あるいは有意義に使っていますか。
・辛い体験から立ち直ったときのことを話してください。
・社会的距離を保ちながら、どのように仕事や生活に適応していますか。
・現在、仕事で一番楽しいことは何ですか。また、その理由を教えてください。
・昨月または昨年、思いがけず学んだことや、成し遂げたことは何ですか。

 参加者が自分のことを少し話せるような自由回答の質問は、効果的だ。その質問をめぐって会話が始まり、対面でのカクテルパーティのようなラポートが形成されるかもしれない。

 ただし、全員がメインの質問に答えるまでは、必要に応じてやり取りをさえぎろう。すべての人に順番が回るようにすることが大切だ。

 時間が余ったら、自然な会話の流れに委ねてもいいし、さらに別の質問をしてもいい(皆に質問したいことがないか、尋ねることもできる)。対面でのカクテルパーティのように1対1の交流をしやすい環境ではないが、小規模な集まりにしておけば、全員がグループの会話に積極的に参加できる。

 どんなにうまく会が進行していても、90分を過ぎたら終了するとよい。一般に、対面での集会よりもビデオ会議のほうが疲れやすい。皆が楽しめたのなら、よい気分のまま別れることができるし、あなたやほかの誰かが。いつでもまたグループを招集できるだろう。

 イベントの後は、すぐにフォローアップのメールを全員に同時送信し、参加してくれたことに感謝し、希望に応じて互いに1対1でつながることを勧めよう。

 たとえ直接会えなくても、それでビジネスが終わるわけでも、関係を深める必要がなくなるわけでもない。むしろ、対面での仕事やイベントによる自然な交流が持てない今、積極的にネットワーキングに努めることは、いっそう重要だ。

 バーチャルなネットワーキングイベントの開催を通して、たとえ物理的に離れていても、あなた自身のネットワークを強化できる。あなたの人と人をつなぐ力も評価されるだろう。


HBR.org原文:How to Host a Virtual Networking Event, May 26, 2020.


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