
在宅勤務にはさまざまなストレスが伴う。それはパートナーや子どもと同居しながら働いている人だけではなく、同居人がいない人でも同様だ。環境変化そのものが負担となり、精神的にも肉体的にも疲労が蓄積され、生産性が低下したケースは多い。マネジャーはこの現状に理解を示し、在宅勤務者にこれまで通りの成果を要求するのをやめて、一時的に期待値を下げる必要がある。
新型コロナウイルス感染症(Covid-19)の感染拡大を防ぐため、米国では多くの州で自宅待機命令が出て、たくさんの人が在宅勤務を経験してきた。
それは「仕事をやり遂げること」が、新たなチャレンジになった時期でもある。同居人(ルームメイトやパートナー、配偶者、子どもなど)がいるビジネスパーソンにとっては、なおさらだ。
その一方で、同居人がいないビジネスパーソンもいる。もはや通勤がなくなった以上、彼らは会社にいるときと同じくらいか、ひょっとするとそれ以上に生産的になったに違いないと、直感的には思うかもしれない。実際、リモートワーカーのほうがたくさん仕事をこなしているという調査結果もある。
たしかに、それが当てはまる人もいるだろう。だが、筆者がこの2ヵ月間に数十人のクライアントや同僚と話したところ、現実はそうではなさそうだ。環境や業界の違いに関わらず、多くの人の話に共通するのは、やり遂げた仕事の量が減っただけなく、感情的、精神的、そして身体的に疲れ果てているということだ。
病院のキャパシティに限界があるように、人間のキャパシティにも限界がある。多くのビジネスパーソンは、同居人の世話といった形ある問題だけでなく、目に見えない問題にも直面しており、それが仕事をこなすキャパシティを大きく食い潰している。そのいくつかを紹介しよう。