(3)境界線を引く
思考型の人は、自分の言動がほかの人たちに及ぼす影響について考えよう。
たとえば、メッセージを送信する前に、文面をよく読み直したほうがよい。思考型の人が書く文章は、直接的で課題志向が強いため、そっけなくて冷たい印象を与えかねない。直接対面して話す機会がないとき、こうした態度は誤解を招く恐れがある。
感情型の人は、ほかの人たちを支援することと、みずからのニーズを満たすことのバランスを取るように留意しよう。
そうはいっても、新型コロナウイルス危機がほかの人たちに及ぼす影響を心配している人にとって、これを実践するのはときとして難しい。親しい友人や家族の支援を得にくいときは、とりわけ簡単ではない。
自分がどのような支援を必要としているかを理解し、必要な支援を確実に得られるようにしよう。
(4)自分に適したワーク・ライフ・バランスを見出す
判断型の人は、自分自身とほかの人たちの両方に関して、自宅でデジタル機器を用いるときと用いないときの線引きをするとよい。ただし、緊急時には臨機応変に対処しよう。
仕事をしていないときにデジタル機器の電源を切れば、ストレスが和らぐ可能性が高い。いつ仕事の連絡に応じられて、いつ連絡に応じられないかをほかの人たちにはっきり伝えたほうがよい。
コロナ禍により、それまでの行動パターンを続けられなくなったのなら、新しい行動パターンを確立しよう。自宅で仕事をしている人は、「ワーク」と「ライフ」の境界線を明確にするために、自宅内の仕事用スペースを決めてはどうだろう。仕事の時間以外は、そのスペースになるべく近づかないようにするとよい。
知覚型の人は、勤務時間の柔軟性など、在宅勤務の一部の側面を好ましく感じているかもしれない。しかし、ほかの人たちも同じように感じていると決めつけるのはやめよう。通常の業務時間外にメールを送ったり、チャットを求めたりすることは差し控えるべきだ。
また、仕事以外の活動にもある程度時間を割くようにしよう。仕事の日が仕事一色になるのは避けたほうがよい。この点では、「タイムボクシング」と呼ばれる手法が役に立つかもしれない。これは、単に「やることリスト」を作成するのではなく、あらかじめ作業時間を確保してカレンダー上に記すというものだ。
テクノロジーは、人々に力を与えることができる。しかし、人はテクノロジーの奴隷になったように感じる場合もある。いつ、どのようにテクノロジーを用いるかを注意深く検討することにより、自分にとって最適なバランスを見出そう。このコロナ禍の中で、その重要性はかつてなく高まっている。
HBR.org原文:How Different Personality Types Cope with an Always-On Culture, June 25, 2020.
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