(3)従業員が効果的に自宅で仕事ができるようにする
リモートワークをするうえで生産性を維持し、結果を出すのに必要なものを得ていると感じている従業員は、パンデミックに対する組織の全般的な対応に満足している傾向が高い。
組織が生産性を維持したいのであれば、在宅勤務用の機器に投資する価値があるかもしれない。多くの従業員にとってオフィスで一般的な機器(ヘッドセット、セカンドモニター、快適な椅子とデスクなど)があれば、生産性に影響を与え、大きな違いを生む。
ある従業員はこう言っている。「日々の仕事をするために、ふだん使っている機器をすべて持ち込むことができなかったため、オフィスと同じレベルで仕事をこなすのに必要な状態にするのが困難だ」
同様に、多くの従業員は家庭や子育ての状況に基づいて会議の時間を調整する支援を必要としているかもしれない。また、ズーム疲れに関する課題を考えると、1対1や、互いに知り合いの小グループでディスカッションをする際には、マネジャーはビデオ会議ではなく通話にした方がよい場合もある。
(4)雇用の安定への懸念に対処する
当然のことながら、従業員は自分の雇用について心配している。リーダーはこのことを念頭に置いて、雇用が保障されているならば、それをチームメンバーに伝えて安心させるべきだ。
保障されていない場合は、従業員はできるだけ早く、可能な限りの情報を知らされたほうが、それに応じた計画を立てることができる。エアビーアンドビーが5月5日に発表した大規模なレイオフ計画は、厳しいニュースを速やかに、率直に伝えたよい例だ。
(5)将来の計画を伝える
これは明らかに、従業員のみずからの仕事に対する懸念と関連している。
私たちがいま直面しているとてつもない危機を考えれば、多くの人が組織の将来に不安を感じ、リーダーを頼りにしているのは当然だ。そのため、コミュニケーションの際には、組織の順調な点を強調しよう。将来に向けた戦略や計画については、できるだけ多くを共有する。
また、業績を向上させたり、同僚を助けたりするためにいっそうの努力をした従業員を認めることも忘れないようにしよう。前向きな波及効果が期待できる。
パンデミックが人々の生活や労働を急速かつ劇的に変化させたことや、今後の不透明感から、従業員はこれまで以上にリーダーに指導と支援を求めるようになっている。
リーダーとしてあなたが「何」を「どのように」伝えるかは、このような困難な時期と、その後の組織のパフォーマンスを決定づけるうえで、重要な役割を果たすだろう。
HBR.org原文:5 Tips for Communicating with Employees During a Crisis, July 09, 2020.
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