
仕事と家庭の両立は、誰にとっても簡単ではない。育児に追われていたり、親の介護が必要だったりする場合は、なおさらである。上司が柔軟な働き方を認めてくれればよいが、常にそうとは限らない。勤務時間中だけでなく、週末も仕事最優先で対応することを要求する人はいる。本稿では、上司の理解を得て、家庭で果たすべき役割をまっとうするための9つのアイデアを紹介する。
仕事と家庭のコミットメントのバランスを保とうと奮闘している時、理解があって支援してくれる上司には助けられる。それは、子どもの学校行事に出席するために早退したり、年老いた親を医者に連れていくために休みを取ったりする際、嫌な顔をしないような上司である。
しかし、あなたが家庭で果たす責任に対して上司が同情的でなかったら、どうすればよいか。あるいはさらに悪いことに、上司がはっきりと拒否したり反感を示したりする場合、どうすればよいのだろうか。新型コロナウイルス感染症のパンデミックで、多くの人にとって仕事とプライベートの線引きが限りなく困難ないま、これは難題である。
仕事以外にも時間を割り当てるべきことがあると認識するつもりがない上司に、どう接するべきだろうか。柔軟に対応するための余裕を、どうすればあなた自身の中に見出せるだろうか。家庭でのコミットメントがあることを、どう打ち明けるべきだろうか。そして、精神的な支えや仕事上で支援が必要な時に、誰を頼るべきだろうか。
専門家の意見
子育て中であったり、家族の介護をしたりしている従業員の実に多くが、上司から夕方4時に仕事を割り振られ、翌朝までに終わらせるよう指示された経験がある。あるいは会社に忠誠心がないように見える働く親を、上司がけなしているのを目撃している。
「マネジャーの中には、家庭で難題に直面している部下に同情を示さない人や、故意に気づかないふりをする人がいる」と、アブニ・パテル・トンプソンは語る。親たちのためにテクノロジーによる解決法を提供するモダンビレッジの創始者兼CEOであるトンプソンは、「悪気がなくても共感力に欠けていたり、どうやって(部下を支援すべきか)わからなかったりするマネジャーもいるかもしれない」と言う。
ジョージタウン大学マクドノー経営大学院教授であり、エラベート・ソリューションズのコンサルタント兼コーチも務めるエラ F. ワシントンは、「あなたに家庭での責任があることを理解できないマネジャーの下で働いている場合、多角的な戦略が必要だ」と指摘する。
上司との難局を建設的に切り抜ける方法を見出す必要がある一方、同僚や家族と協力してスケジュールをつくり、誰にとっても無理のない「境界線を設定」する必要がある。その目的は「上司を歩み寄らせるように努力する」ことだとワシントンは語る。
そのためのアイデアを、いくつか紹介しよう。