●子どもを持つ有能な人材を引きつけ、維持する

 ビジネスリーダーが働く父親を支援しなければ、彼らを支援する会社に優秀な人材を奪われてしまうリスクがある。

 ジェンダー平等を推進するコンソーシアムのプロムンドと、男性用パーソナルケアブランドのダヴメン+ケアが2018年に行った調査によると、働く父親の約70%が、子どもと過ごす時間を増やすためなら転職してもよいと答えている。

 子育て中の有能な人材を維持するには、まずは彼らを理解し、彼らの話に耳を傾けなくてはならない。調査を通じてフィードバックを集め、彼らがどのような問題を抱えているか明らかにする。従業員リソースグループ(ERG)を利用して、オープンで正直なコミュニケーションを図ろう。リーダー自身がいずれかのERGに加わり、対等な立場で参加するのもよい。

 さらに、子育て中の従業員がみずからの不安と向き合い、上司に自分のニーズを正直に話すことができると感じられるようにすることも必要だ。話を聞く中で、型通りの支援制度では不十分で、それぞれの家庭に合ったオプションが必要なことが明らかになるかもしれない。

 研究によれば、成功するリーダーは、自分に対しても会社に対しても、成長と学習のマインドセットを持っていることが示されている。これを、働く親にも当てはめよう。新製品のローンチや四半期損益と同じように、彼らを大切にしなくてはならない。