危機下でリーダーに
よりふさわしいのは誰か
筆者らは2019年に、男性と比べて女性のほうがリーダーとして優れていると、彼らの同僚が評価したことについての論考を書いた。その際に分析したデータは、6万人以上のリーダー(女性2万2603人、男性4万187人)に対する評価を抽出したものだ。新型コロナウイルスの危機の第1段階に収集された同様のデータから、リーダーに対する評価に変化があったかを確認することにした。
2020年3~6月に、ゼンガー・フォークマンの「エクストラオーディナリー・リーダー360度評価」を用いて、男性454人、女性366人のリーダーシップ能力を評価した。その結果、パンデミック前の分析と同様に、女性のほうが男性よりも評価が有意に高かった。
総合的なリーダーシップ能力に関する評価を男女で比較すると、再び女性のほうが有能であると評価された(t値:2.926、有意水準:0.004)。パンデミック下の男女の差は以前の測定結果よりも大きく、女性のほうが危機的状況下でのパフォーマンスが高いことを示している可能性がある。
筆者らの評価では、女性は全体的なリーダーシップ能力を構成する19の能力のうち、13の能力で男性より評価が高かった。男性は1つの能力(専門家またはプロとしての知識)で女性より評価が高かったが、その差は統計的には有意ではなかった。
下のグラフは、パンデミックの第1波の時期に収集されたデータに基づき、男性と女性のパーセンタイルスコアを女性の平均評価の高い順に示している。