●周囲にわかるように、リーダー自身が昼休みを取る

 単純な行動にこそ、最大のインパクトがある。マネジャーみずからデスクを離れて休憩を取れば、「生産的な社員と認められるためにいつも忙しくしている、あるいは忙しい振りをする必要はない」という雰囲気が職場に生まれる。

 従業員の士気の高さで知られるインドの大手IT企業、インフォシス・テクノロジーズの共同創業者の一人であるN. R. ナラヤナ・ムルティは、可能な時はいつも従業員と社員食堂で昼食を取り、みずから列にも並んだ。価値観に基づくそのリーダーシップは強く支持され、彼がリタイアした時には大勢の離職者が出た。

 リーダーはリモートワーク環境において、昼休み中はその旨のサインを掲げ、その間はパソコン画面から離れていることをチームミーティングでメンバーに告知して、午後になったら「戻りました」と口頭で知らせるなどが、これにあたるだろう。

 ここで大切なのは食事そのものではなく、リモートであってもオフィスであっても、席を離れて休憩を取ってよいのだとわかってもらうことだ。休憩の目的は、食事でも運動でも散歩でも何でもよい。リーダーがみずから休憩を取り、その時間を自分のために確保しているのを見れば、従業員は自分も同じことをしてよいと思うようになる。

 IT企業で働いていた時、上司が皆、自分のデスクでランチを食べたり、食べずに働き続けたりするのを見て、私は昼休みを取るのが憚られた。そのため、席で軽食と間食を繰り返し、健康を害した。仕事が終わると疲れ果て、燃え尽きたように感じる毎日だった。

 ●昼前後の会議を制限する

 立て続けに会議を行うのは、北米の仕事文化の特徴だ。そのために、多くの企業の従業員がランチを抜く。もし企業が、食事はもちろん、1つか2つ用事を足せる時間を規定すれば、その時間を自分のために利用する人が増えるだろう。

 リーダーはみずからチームにこう言って、模範を示そう。「その時間、私は昼休み中です。仕事を離れてカジュアルに話す以外は、予定を入れないでください。皆さんも1時間しっかりと、昼食休憩を取ってください」

 ●定期的なランチイベントの開催を奨励する

 数年前、私がインタビューしたあるリーダーは、会社の費用負担で毎月開催される「カルチャーランチ」について話してくれた。従業員が母国の料理を持ち寄り、同僚に振る舞うというものだ。さまざまなバックグラウンドの従業員が、互いの文化を紹介し合い、とても盛り上がると言っていた。

 大きな組織に勤めている場合は、少人数のカルチャーランチをローテーションで開催してもよいかもしれない。社員同士の理解を深めることにも、部門間の壁を取り除くことにも役立つはずだ。

 ただし、調査によれば、女性と有色人種の従業員は、こうした「オフィスの家事」のようなタスクを過度に背負わされることが多いため、均等に役割配分するように注意したい。