4つの角度から検討する
いま具現化したいと思う価値観をより明確にすると、あなたの最も貴重な資産である注意力を、どこに投資すべきか見極めるのに役立つ。
あなたの人生における4つの主要領域について考えてみよう。すなわち「キャリア・仕事」「家庭・家族」「コミュニティ」(たとえば友人、近隣の人々、子どものケアをしてくれる人々)、そして「個人としての自分」(心、体、精神)である。
あなたにとって、それぞれの領域の重要度はどのくらいか。そして、それぞれの領域にどのくらい注意を向けているだろうか。あなたと周囲の人々にとって最も大事なことと、あなたの注意の向け方との間に、ずれが生じているところはないか。人生のそれぞれの領域で実行していることは、あなた自身や家族、組織、周りの人たちを豊かにしているだろうか。
もはや、現在の優先事項にはそぐわない習慣やルーチンについても考えてみる。それらすべてを変えることは不可能かもしれないが、検討することは役に立つ。我々の研究では、より優れた調和のために加える変更は、どんなに小さいものであっても重大なインパクトをもたらす可能性があることが示されている。
自分にとって最も大事な人たちと話をする
自分の内部の変化は劇的だとあなた自身は感じるかもしれないが、周りの人たちには気づかれないということはよくある。口に出して伝えない限り、相手はいままでと変わらないと思い込む傾向があるからだ。そこには、同僚も含まれる。
もちろん、上司のところに行って「もう仕事などどうでもいい」と告げるべきではない。だが、自分の仕事の中で特に情熱を感じている部分について、あるいはそれほど意義深く感じられない仕事の一部を別の誰かに任せる機会については、話したほうがよさそうだ。
その際には、熟考したうえで創造力を駆使すること。上司や周りの人たちにとって、そのような変更がどれだけ好ましいものなのか、明確に説明できる方法を見出す必要があることを忘れてはいけない。これは難題だが、実行可能でもある。
同様に、新たな自己認識について、家族や友人、周囲の人々とも話し合うこと。あなたにとって、いま最も大事なものは何かについて話すことから会話を始め、相手が抱くあなたに対する思い込みを変えてもらう機会をつくろう。
また、家族や友人、周囲の人々にも、現在の価値観、ニーズ、目標を共有するように促そう。たとえば、あなたの子どもたちは、いままでになかった心配事や希望、興味が心の中に浮かんでいるものの、それらを的確に伝えられずに困っているかもしれない。そのような対話におけるリーダー役を担うことで、自分自身のたゆみない成長の旅に、他者を招き入れることができる。