
Illustration by Chris Burnett
感染症が世界規模で流行するいま、怒りや恐怖、悲しみといった負の感情に支配されやすくなっている。その感情を無理に抑え込んだり、逃れようとしたりすれば、心身の健康や幸福に悪影響を及ぼすだけでなく、人間関係にもダメージを与えかねない。それを防ぐうえで有効なのがマインドフルネスだ。本稿では、自分の感情と向き合い、上手に対処するために、マインドフルネスを正しく実践する3つの方法を示す。
怒り、恐怖、悲しみは、私たちの日々の生活の中で常に見られる感情で、仕事にも大きな影響を及ぼす。しかし、感染症が世界規模で流行している時ほど、その影響が大きいことはないだろう。このような不快な感情に対処する手段として活用しやすいツールの一つが、マインドフルネスだ。
マインドフルネスについて企業幹部らに説明していると、残念ながら誤解を抱いている人が多い。しばしば見られる誤解は、マインドフルネスが感情と距離を置くための手段だというものだ。この誤解は、有害な結果をもたらしかねない。
実際は、それとは正反対だ。マインドフルネスは、私たちがみずからの感情と結びつくのを助ける役割を果たせる。人は自分の感情と向き合わないことが多いが、マインドフルネスを実践すれば、そうした傾向を克服する手立てになりうるのだ。
自分の感情に向き合おうとしない姿勢は、その人自身の健康と幸福に悪影響を及ぼすだけではない。人間関係にもダメージを与える。また、研究によると、自分の感情を偽るよう訓練されているプロフェッショナルは、そうでない人に比べて肉体と精神の健康を損なう可能性が著しく高いという。