片頭痛に関する教育
まず、片頭痛に関する教育プログラムを実施するだけで、生産性が29~36%向上することがわかった。その理由は、片頭痛発作による欠勤日数の減少、片頭痛発作がありながら勤務する日数の減少、片頭痛発作がありながら勤務した日の有効性の向上だ。
プログラムは、ランチ会議、ウェビナー、メールのニュースレター、オンライン資料などで構成され、片頭痛に関する同僚とのコミュニケーション、症状を軽減するためのライフスタイルの改善、片頭痛に対処するための薬理学的選択肢などについて従業員を指導した。
たとえば、ある研究では米国の3つの企業を対象に、片頭痛の教育が生産性に与える影響を調査した。これらの企業では、片頭痛の症状、一般的な誘因、治療法についての認識を高めることを目的に、無料の情報サイト、さまざまな資料集、ニュースレターを従業員に提供した。
その結果、わずか半年で片頭痛の発作による欠勤日数が25%減少し、症状がありながら勤務した日数が32%減り、片頭痛がありながら勤務した日の自己申告の有効性が10%近く向上した。片頭痛と診断された従業員一人当たりの雇用主の総コストは、平均34%減少した。
こうした教育プログラムは、片頭痛に悩む従業員にリソースを提供するだけでなく、すべての従業員に片頭痛がいかに深刻で活動を阻害するものであるかを伝え、片頭痛で仕事を休むことへの偏見を減らすことも目的としている。
米国の従業員約20万人を対象とした調査では、片頭痛が会社を休むほど深刻な症状であると考えている人は22%しかいなかった。また、別の調査では、片頭痛を持つ従業員は、仕事に対する安心感や仕事のパフォーマンスへの自信が持てず、プレゼンティーイズムや、多くの場合は給与の減少にもつながることがわかった。
片頭痛を持つ従業員だけでなく、その上司や同僚にも片頭痛がもたらす影響を教育することは、それがもたらす損害を軽減するための最初の重要なステップだ。