●状況をリフレーミングする

 キャリアパスが行き詰まっている、あるいは「後退している」と感じるのは、誰にとっても楽しいことではない。実際、ハーバード・ビジネス・スクール教授のテレサ・アマビールによる研究が、有意義な目標に向けて進捗しているという感覚は、従業員の気分や満足度を示す最大の指標であることを明らかにしている。

 キャリアに関する決断を後退だと考えれば、ほぼ確実にいら立ちや怒り、恥を感じることになる。そうではなく、視野を広げる。

 仕事は人生を構成する唯一の要素ではない。たとえ一時的に自分のキャリアで大きな進捗がなかったとしても、かつては同じくらい重要か、あるいはもっと重要だと考えていた別の目標、たとえば家族を経済的に支える、もっと一緒に時間を過ごすという目標では前進しているものだ。

 ●学習機会を発見する

 いまの仕事が自分の希望していたものではない時に、ただ稼ぐためだけに働いているのだと切り捨てるのは簡単だ。しかし、最適ではない状況であっても学習できるチャンスだととらえて上手に活用すれば、スキルを開発するパワフルな機会になる。

 たとえば、筆者が知っているあるリーダーは、経済情勢が不確かな間は離職を思い留まり、不満ばかりこぼしている同僚との関係を見直し、やっかいな人たちに上手に対処する方法を学ぶ機会にしようと意識的に試みている。

 同様に、隠れた機会を見つけ出すことで、いまの仕事に自分の関心に合った新たな側面を開発したり(たとえば、新しいテクノロジーの研究など)、自分のネットワークを構築する機会につなげたりできるだろう。