●重要な指標を記録する

 自宅とオフィス、それぞれの場所で自分の生産性を記録するには、まず何を測定すべきか見極めなくてはならない。生産性というと労働時間を基準に考えがちだが、より有効なのは、実際の仕事の成果に注目することだ。

 量的指標としては、アウトプットに関連する項目(タイプした文字数、返信したメール数、完了したタスク数)、そして時間の使い方に関するデータを調べる(Timing.app やManicTimeといったPCの利用状況を自動的に記録するアプリがお薦めだ)。

 質的指標としては、毎日その日が終わった時点での気分や達成感を記録する(1~5の点数をつける)のがよいかもしれない。メールやグループメッセージを見返して、相手からもらったフィードバックを記録するという方法もある。

 いずれも完璧な指標ではないかもしれないが、総合することで有効な全体像を示してくれるはずだ。

 スプレッドシートを用意して、すべての指標をまとめた一覧表を作成する。最もシンプルなのは、一番左の列に日付を入れて、その隣にタイプした文字数、気分、達成感、完了したタスク数などの指標を順番に割り当てる方法だろう(手始めに、筆者らが作成したテンプレート「Coda」を使うと便利だ)。

 オンラインショッピング、ミームの検索、ゲームなどに気が散って無駄にしてしまった時間、会議に費やした時間、仕事に励んだ時間(ワードプロセッサやスプレッドシートのアプリを見ればわかる)も記録するのもよいかもしれない。

 一覧表が作成できたら、一定期間(およそ1~2カ月)、定義した指標に沿って自分の生産性を毎日記録する。これは出社勤務を再開する前からでも始めることができる。在宅勤務中から記録していれば、出社勤務に戻った時、自宅とオフィスにおける自分の生産性をすぐに比較できる基盤ができていることになる。

 記録している期間中は、在宅勤務か出社勤務か(あるいは特定のスケジュールにコミットしているか)もスプレッドシートに毎日書き込む。そうすれば、出社勤務日と在宅勤務日で異なるパターンを見つけやすくなる。