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ポストコロナに向けて会社が再調整を進める中、危機下で安定した立場を離れることに躊躇していた転職希望者が動き出そうとしている。さらに、オフィス再開によって勤務体制が元通りになることから、新たな職探しを考えている人々もいる。だが、転職が本当に正しい選択か迷っていたり、ある問題さえ解決すればこのまま会社に残りたいと思っていたりするなら、退職願を出す前にすべきことがある。上司との条件交渉だ。本稿では、コロナ禍で依然として流動的な状況において、自分にとって最適な機会を見極めるために、上司と話し合うべき4つの点について論じる。


 いまの仕事を辞めようと考えているのは、あなただけではない。調査によれば、従業員の4分の1から半数以上が、コロナ禍が収束したら新しい仕事を探すつもりでいる。

 その一部は、単に新たなキャリアに挑戦したいという従来型の転職希望者だ。先の見えなかったこの1年は、安定した立場を離れることに躊躇していた人々が、一斉に動き出そうとしている。

 一方で、別の理由から職探しを考えている人たちもいる。たとえば、会社のポストコロナの方針への懸念が理由かもしれないし、この1年間のリモートワークによる職場のダイナミクスの変化に加えて、オフィス勤務に戻ること、あるいはハイブリッドワークに移行することが理由かもしれない。

 会社を辞めることが正しい選択か確信が持てなかったり、特定の懸念事項が解消されるならいまの会社に留まりたかったりするのなら、退職を願い出る前に、上司と話をしてみる価値はあるだろう。

 ポストコロナのオフィス再開は、「境界的」な期間にある。規範は流動的で、ルーチンも再構築する必要がある。しかも会社は、多くの従業員が他の機会に目移りすることに神経を尖らせている。あなたが組織内で高い評価を得ているなら、それを上手に利用して、最も好ましい条件で交渉できるかもしれない。

 以下に、退職を決断する前に上司と話し合うべきことを4つ挙げよう。