●必要な時には、自分が控え選手になる

 家庭生活で不測の事態に対処するために、親である私たちにできることは限界がある。したがって、必要な時に手を貸してくれる人たちとのネットワークづくりに最大限の努力を払いつつも、反対方向にも注意を向け、雇用主の期待を適正なレベルに保つことも必要になる。

 この1年半の経験を経て、雇用主は業務が遂行される背景にさまざまな文脈があること、そしてそれらがいかに複雑かを深く理解したはずだ。

 考慮すべきもう一つの選択肢は、予期せぬ状況に備えて盤石の計画を立てたものの、自分自身が控え選手になる必要がある、または控え選手になりたいと思うタイミングもあることを、自分の上司に知ってもらうことである。

 実際に、そのような日には自宅から会議に参加したり、オンライン会議の際に小さな子どもが画面の後ろに映り込んだり、個々の仕事をやり遂げるためにミーティングの日時を動かしたりする可能性があると伝えるのがよい。あなたがそのような形で仕事を完遂できることは、パンデミック中に証明済みだ。

***

 この1年半の間に、親はレジリエンス(再起力)や機転の限界まで追い込まれていた。しかし、パンデミックの経験から学んだ重要な教訓や適応手段は、次のフェーズでも利用できる。

 良い時も悪い時も、私たちの親業を助けてくれる堅固な社会の仕組みをつくり続けよう。そして、自分たちのニーズについて実現可能な状況を把握するところから始めて、適切な控え選手から成るチームを構築できれば、次の章への移行は楽なものではないとしても、実行可能だと感じられるようになるはずだ。


"4 Tips to Manage Childcare When You Go Back to the Office," HBR.org, July 15, 2021.