●同期で行われるべきものを明確にする
同期で行われるほうがよいタスクや活動を特定する。たとえば、プロジェクトのキックオフミーティングで役割や責任範囲、期待値、期限を設定することや、クライアントミーティングがそれに当たる。おそらく、こうした会議の準備もそうだろう。
リーダーシップ開発を専門とする筆者の会社では、パートナー同士が一緒に過ごせる時間が限られているため、パートナーミーティングは、より深い議論や討論、あるいは重大な意思決定が必要なトピックに限定している。
それに当てはまらないもの、たとえば、進捗報告やさまざまなトピックに関する単純な質問などは、スラックの適切なチャンネルに投稿し、他のパートナーがそれぞれの都合に合わせて目を通し、回答できるようにしている。
さらに、1対1ミーティング、コーチング、フィードバック、メンタリング、新人研修といった人間的な交流を伴う活動もライブで行うべきだ。また、現在リモートで働く人の65%が同僚とのつながりが希薄になっていると感じていることから、チームビルディングなどの基本的活動も同期で行うことが重要になる。
●従来の規範や憶測に対抗する
ワークカルチャーには、不文律や、物事がいつ、どこで、どのように行われるべきかについて検証されていない憶測が数多く存在し、疑問視されていないことが多い。組織の文化にまだ完全に溶け込んでいない新入社員は、それらに気づき、チームに反映させやすいかもしれない。
同様に、外部のファシリテーターは、チームがこうした既存のルールや憶測を表面化することで明確にし、それらに対抗して断ち切るためのサポートができる。
この方法が推奨されるのは、チームリーダーが現在のシステムにおいて重要な役割を担い、たとえ非同期型の働き方を擁護していても、現状の要素に疑問を持つことは難しいと思われるためだ。
これらの不文律には、許容できる返答時間、会議が必要なトピック、標準的な会議の長さとその運営方法、昼食の時間(または昼食を取るかどうか)、何時までにデスクで仕事をするか、標準的な勤務時間以外にどれだけ対応できるかなどが含まれる。
人が規範から外れた行動を取ると、私たちはその意味について検証されていない憶測を抱きがちだ。
「働いている姿が見えなければ、働いていないに違いない」「午後3時にログオフすれば、誰かが何かを必要としている時に、その人を失望させることになる」「彼女は長時間働いているから、多くのことを成し遂げているはずだ」「彼は私が望むほど迅速には返答しないから、それほど献身的ではないに違いない」といったものだ。
ターフェは前職の会社について、次のように話す。「何時にオフィスに着くべきかという期待があった。正直なところ、非同期型の働き方は難しく、学習が必要だった。それを強力に支持している人でも、断ち切らなければならないことがあった。私も仕事をこなしているにもかかわらず、日中に何かをすることに罪悪感を覚えていた」