●コンフリクトアントレプレナーを素早く見極める
まずは、コンフリクトアントレプレナーを見分けられるようになることだ。忘れてはいけないのは、批判する、異議を唱える、HR部門に相談する、苦情を申し立てる、組合の組織化活動を率いる、請願書を配布するといった行動は、コンフリクトアントレプレナーではない人々によってもなされるということだ。
コンフリクトアントレプレナーの特徴は、時間をかけてコンフリクトを起こす、その方法にある。機能不全、極端な行動、絶え間ない非難といったパターンを繰り返すのだ。
彼らはすぐに非難し、あらゆる不平を正当化したがり、誰も考えもしなかったことを見つけては不正だと主張しがちだ。噂や陰謀論を拡散し、世界を「善と悪」のどちらかに明快に、たいていは過度に明快に分けようとする。
コンフリクトアントレプレナーの可能性がある人を特定したら、他者に対して、自分の中でも、彼らを悪者扱いしたくなる衝動を抑えなくてはならない。そうした衝動に駆られるかもしれないが、それではハイコンフリクトの原因となる、対立を前提とした考え方と変わらない。
マーシャル・シェリーは、教会におけるコンフリクトアントレプレナーの対処法についての著書Well-Intentioned Dragon(未訳)で、次のように述べている。「ドラゴンに襲われても、ドラゴンになってはいけない」
コンフリクトアントレプレナーの背景には、ネグレクト、虐待、暴力を経験したトラウマを解決できないまま抱えている可能性がある。難しいかもしれないが、思いやりの心を持つようにしよう。私たちは誰しも、自分がコンフリクトアントレプレナーのように行動してしまう可能性があることを忘れてはならない。
●彼らと過ごす時間を増やす
「相手の90%がコンフリクトアントレプレナーなら、残りの10%に語りかける」と話すのは、メディエーターで弁護士のゲリー・フリードマンだ。耳を傾け、理解しようと努める。永遠に続ける必要はないが、心が通い合うまでじっくりと行う。
「その人は自分とは異なる意見を多く持っているかもしれないが、人は何よりもまず、自分の意見を聞いてもらいたいものだ。そのどこかにチャンスがある」と、あるターンアラウンドスペシャリストは言う。
一触即発だったあるケースで彼は、コンフリクトアントレプレナーであるリーダーと、そのリーダーに対して最も憤っている敵対者を、あるレストランに連れていった。その店は、彼が「キャンプ・デービッド」と呼ぶ、隠れ家のようなレストランだった。
2人には、「敬意」のように今後の交流を促す共通の価値観を挙げてもらい、ブレインストーミングを通じて、その価値観を実際に示す行動(友好的な言葉で挨拶を交わす)や、価値観を損なう行動(相手の動機を非難するメールを送る)を考えてもらったという。
肝心なのは、これらの価値観が損なわれた時に何をすべきか、その手順も考えたことだ。
3時間後、対立していた2人はバーで酒を交わしていた。意見の相違は変わらずにあったが、2人が最も大切にしている深い価値観が認識され、それを互いに遵守することが確認できて、彼らは安堵していた。






