●部下を管理せずとも、人々を率いることができると示す
一社員の仕事は重みがないと考える人もいるだろう。管理職は多くの直属の部下に戦略目標を実行させているからこそ、より大きな影響力を持つというわけだ。
このような思い込みには、疑問を投げかる必要がある。権威に頼るのではなく影響力を駆使して仕事をする人は、1つのチームだけでなく複数のチームで活躍する推進力を得ることもできるのだ。
マネジメントの責任がない人は、さまざまな同僚やチーム、組織の異なる機能や事業部門と協働しなければならず、むしろより多くのピープルマネジメントが必要だといえるかもしれない。そのような仕事で結果を出すには、より高度な技量とさらなるアジリティ(敏捷性)が求められる。
こうした働き方でも、対人関係やコミュニケーションのスキルを駆使して、自分がリーダーシップを発揮できると周囲に示すことが重要だ。
筆者が協働したあるプログラマーは数年間、他のソフトウェアアナリストやエンジニアのマネジメントを担当していたが、個人でプログラミングを行う仕事に戻りたいと考えるようになった。
彼は、会社が自分自身のリーダーシップを評価していることも、一般社員は余剰しているのに対して、管理職が不足して困っていることも承知していた。そこで、自分は上司ではなく、同僚として周囲の指導を続けると誓った。さらに、新しいマネジャーと協力して、全社レベルのコミュニケーションに取り組むことも約束した。