「マインドシフト」を成し遂げる
マインドトラップを取り除くには勇気がいる。マインドシフトによって昔ながらの思い込みに挑み、他者の期待ではなく自分自身の声に耳を傾け、自分が真実だと思い込んできたことに疑問を突きつけ、そして未知への恐怖に対峙する勇気だ。
いかなるマインドシフトも、心理学者スーザン・ジェファーズが言うところの「恐怖を感じる……でも、とにかくやってみよう」という気持ちにならなければ、不可能だろう。このマインドシフトにより、私たちは自分の見方を変えて、みずからを解放し、その過程で人間的なリーダーになる能力を解き放つことができる。
マインドシフトは、どうすれば生み出せるのか。ひとたび自分を押さえつけていた具体的なマインドトラップが見つかれば、シンプルだがパワフルな問いによって、それに挑むことができる。
・それは誰の声なのか。
・それは真実なのか、関連性があるのか。
・私はそれを手放す準備ができているか。
マインドトラップを特定しても、そこから抜け出す方法はわからないことが多い。したがって、この3つの問いを深く探求するには、脳の中でも論理的で分析的な思考を司る部分、すなわち左脳を迂回して解明していかなければならない。また、視覚化とストーリーテリングという適切なツールを用いることで、右脳に結びつけ、自分のOS(オペレーティングシステム)をプログラムし直すことが必要になる。
ここでは、友人であれ、メンターであれ、コーチであれ、信頼のおける、賢く、親身になってくれるアライの助けが必要となる。
チャーリーは、これらの問いに取り組んだ結果、ビジネススクール時代の教授の言葉が長年にわたり、自分の行動に深刻な影響を与えてきたことに気づいた。だが、彼はもう若くて弱い学生ではない。教授の意見に疑問を投げかけ、同意しないという選択を取ることができる。
そして、リーダーシップに関する教授の見解が、自分の本当の姿とは一致しないことがわかると、彼はこれまでの自分の視点とアプローチを変える準備ができた。
私たちを押さえつけているマインドトラップを理解し、自分を解放するために必要なマインドシフトを経験することが、最初の2つのステップだ。続く第3のステップが、最終段階だ。