(2)「人脈づくりは課外活動である」から「人脈づくりは戦力乗数である」へ

 仕事は人と一緒に、あるいは人を介して行う。組織の上に行くほど、これは真実だ。仕事という相互依存の世界では、自分の目標を達成するために他人の協力が必要であり、継続的に人間関係を育み他人から学ぶことが成功のカギになる。

 たとえば、女性会議に参加した女性は、1年以内に昇進する可能性が2倍に、1年以内に10%以上昇給する可能性が3倍になり、楽観傾向が短時間で最大78%高まる。人が人と関わることで、何かしらのパワフルな現象が起こるのだ。

 より刺激を受ける。キャリアアップの新しい戦略を学ぶ。新たなアイデアに触れる。自分が必要としているものを求めようという自信が生まれ、自分の知恵を他の人と共有する方法が見つかるだろう。

 このようなマインドセットの転換をサポートする際は、人脈づくりの負担だけでなく、利点に目を向けるように手助けをする。筆者らは組織向けに6カ月間のリーダーシップ開発プログラムを提供しているが、そこでは参加者同士が繰り返し会えるようにしている。

 新たな機会を求めている女性、キャリアで行き詰まっている女性、リーダーシップの緊張に苦しんでいる女性にとって、同じような立場の人の話を聞き、自分をアピールするための新しいアプローチを学び、自分の課題に取り組むための選択肢を見つけることは、生産的な経験になる。

 プログラムの最後のセッションでは、キャリアに大きな影響を与えるテーマについて、5分間のプレゼンテーションを行う。まず小人数のグループでリハーサルと修正を行い、ストーリーを練って、事実関係をより明確に説明し、本番でのプレゼンスを最大限に高める工夫をする。

 実際に数多くの参加者が、新しい人脈から得たフィードバックに助けられ、自分のプレゼンテーションを磨き上げることができ、最終的に資金を獲得したり、新たな戦略を推進したり、支持者を集めたりすることができるようになったと報告している。

 新しい役割を見つける、別の部署に異動する、影響力のある新たな人脈にアクセスすることについて、女性同士が互いに助け合った例もいくつかある。このプログラムで築いた人間関係と、そこから得られた視点が、参加者の影響力を高めることにつながっているのだ。